記事の概要
今回の記事では、インフラエンジニアの役割、実際の仕事、必要な能力、お勧めのキャリアの積み方、を具体的に紹介します。



















目に見えない部分の仕事だから何をやっているのか分からない。









インフラエンジニアの意義とは?






インフラエンジニアは縁の下の力持ちなんですよ。



そのインターネットに繋がる仕組みを作りなおかつ守ってるのがインフラエンジニアなんです。
インフラエンジニアの仕事がなければ世の中にあるあらゆるITサービスが成り立たなくなっちゃうんです。
ネットワークそのものを管理してます。



インフラエンジニアは業務内容に応じて、
- ネットワークエンジニア
- サーバーエンジニア
- データベースエンジニア
- セキュリティエンジニア
- クラウドエンジニア
といったようにいくつかの種類に分類できます。









アプリエンジニアはITの専門領域以上にコミュニケーション能力やクライアントの業界知識が不可欠となってきます。
顧客の要望を解析・分析して正確に理解し、それをシステムに落とし込んだ上でアプリを作成することに従事します。






インフラってなると、現場経験がなかったりネットワークやったことがない人はできなさそうなイメージがあります。



発言のまとめ
・インフラエンジニアはインターネットに繋がる仕組みを作ったりそれを守ったりすることが仕事である。
・インフラエンジニアはテクノロジーのノウハウや設計経験がしっかりしている必要があり、こういう参入障壁の高さもあって工学系出身の人がなる場合が多い。
インフラエンジニアは、
- インターネットに繋がる仕組みを作って、それを守る、というプロジェクトの根幹に関わる重要な仕事をしていて、
- 実際になるには、高い水準でのテクノロジーのノウハウや設計経験を求められます。
インフラエンジニアの役割はどういうものか?






システムの基盤構築の例として、オンラインショップの開設を目標とするプロジェクトを想定してみます。
この場合、基盤構築にあたって考えるべきことは次のようなものです。
性能に関しては、何千人規模の大量のアクセスがサイトに集中した際にもダウンしないサーバーのスペックの程度などを見積もります。
どのサーバーを使用するかやどのネットワークを用いるかを決定し、安定供給の維持に努めることも行います。






メンテナンスの例として、Netflixのような映像配信サービスを想定してみます。
人気の出た動画を配信する場合、大勢のユーザーが殺到してアクセスが集中する、と予測がつきます。
このように強い負荷がシステムにかかったとしても、サービスは安定して稼働しなければなりません。
そのためにインフラエンジニアが監視業務を行う必要があります。



セキュリティ関連のインシデントは常に僕達の身の回りに蔓延ってます。
インフラエンジニアはセキュリティとして、ファイアウォールの設定や暗号化技術によるシステムの保護などを行います。
具体例としては、オンラインバンキングを用いた送金やオンラインショップでのクレジットカード情報の入力といった場面でこういったセキュリティが重要となります。






クラウドとは?
インターネットのようなネットワークにおいて、ハードウェアもしくはソフトウェアの形で利用できるサービスのことをクラウドコンピューティング、あるいはクラウドと呼びます。
クラウドができる以前は、利用者が自らサーバーを購入し、そこにOSやソフトウェアのインストールも行った上でサービスを利用する、といったことが主流でした。これをオンプレミスと呼びます。
クラウドを用いる場合は、サーバーとソフトウェアの両方がサービスとして提供してあるため、利用者が自らサーバーを購入したり環境を1から構築したりしなくても問題ありません。
またサーバーとソフトウェアの運用はサービスの提供者が行うため、利用者が運用に割く労力も減らせます。



AWSがクラウドの代表例です。AWSを使ってクラウドを構築していくのが主流です。
AWSを始めとするクラウドサービスはIT業界のゲームチェンジャーと言っても過言ではないです。
AWSとは?
Amazon社の提供するクラウドサービスのことをAWS(Amazon Web Services)といいます。
AWSは300を超える種類のサービスを提供していて、2025年1月から同年3月における調査ではシェアの減少が確認できたものの、世界のクラウドインフラシェアで首位となっているほど多くの人々が利用しています。
AWSが提供するサービスの具体例としては、
・AWS上でのサーバーの構築を行えるAmazon EC2
・AWS上でデータを保管したりデータのバックアップを取れるAmazon S3
・AWS上で新規のデータベースを利用したり、AWSの外部で既に使っているデータベースをAWS上で活用したりすることができるようになるAmazon RDS
などがあります。



今でもデータセンターはありますし、公共とか金融とかセキュリティを重視するところはオンプレもまだ需要あると思います。
発言のまとめ
・インフラエンジニアは、システムの基盤構築として、サーバーのスペックなどの見積もりや適切な機器の調達などを行う役割を持っている。
・インフラエンジニアはシステムを作った後も、システムが安定的に稼働しているか監視し、メンテナンスを施し、セキュリティを徹底してシステムを守る、などの役割を担っている。
・多くの場合、インフラエンジニアはクラウドを使ってインフラを構築する役割も持っている。
インフラエンジニアの役割には、
- サーバーのスペックなどの見積もりや機器調達、といったシステムの基盤構築を行う役割、
- 作ったシステムの稼働状況の監視やメンテナンスやセキュリティ面での措置、といったシステムの適切な運用を行う役割があり、
- クラウドを使ってインフラ構築をすることも多くの場合インフラエンジニアの役割となります。
工程ごとに分けた実際の役割






アジャイルでもインフラエンジニア的な取り組みは必要ですが、昔ながらのウォーターフォールの方がインフラエンジニアの活躍する機会が多いかもしれないです。
具体例としてECサイトのプロジェクトの場合を考えると、プロジェクトで開発するECサイトの様々な非機能要件を決めていくステップが要件定義工程となります。
実際に問題となる非機能要件には、
- ECサイトへのアクセスは一日にどのぐらいあると想定するか
- 必要となるデータの保存容量はどの程度か
- 達成するべきサービスの稼働率は99%までとするかそれとも99.9%までとするのか
といった事柄が挙げられます。
要件定義工程では、このような事柄をクライアントや開発チームと共に決定していき、いわゆるSLA(Service Level Agreement、サービスレベル合意書)を結びます。



設計工程では、要件定義工程で定めた内容に沿う形で、
- サーバー
- ネットワーク
- セキュリティ
といったインフラの設計を具体的に行っていきます。
サーバーを設計する際には、プロジェクトで使うサーバーとしてどのクラウドサービスを選ぶのか、サーバーの台数はどの程度にするのか、などの事柄を決めていきます。
ネットワークを設計する際には、安全かつ効率的な形でのシステム内外の通信を実施できるネットワークを構築する必要があります。
セキュリティの設計では、顧客情報などの重要データを守るためのファイアウォールの設計などを行います。



テスト工程では、設計工程でできたものが本当に実装できているのか、テストを実施することで検証していきます。
今までのステップで立てた計画通りシステムが問題なく作動するか確かめるテストには
- システムに対して実際に負荷をかける負荷テスト
- サーバーがダウンした際のシステムの動きを調べる障害テスト
- システムをセキュリティ面から検証するセキュリティテスト
が挙げられます。
負荷テストでは、システムに対して強烈な負荷をかけることで、要件定義工程で決定したSLAの内容に合致する性能をシステムが発揮しているかを調べるスパイクテストを行っていきます。
スパイクテストの具体例としては、オンラインゲームのプロジェクトにおいて、一度に一万人がアクセスする場合を想定してシステムに負荷をかけるテストを実施する場合が考えられます。
実際の運用を前提として、想定できる規模のアクセスを受けた場合を検証したり、繁忙期の3倍もの値でのテストを実施したりします。
また、広い意味で負荷テストの一環として考えられるテストとして、冗長部に関するテストがあります。
サーバーを一個だけ立てるのではなく、故障を想定した上で冗長構成としてもう一個のサーバーを立てておき、メインのサーバーがダウンした際に冗長構成としてのサーバーが想定通り作動するのかをテストします。
障害テストでは、サーバーがダウンしてしまった際にシステムが自動的に復帰して立ち上がれるかを確かめていきます。
このステップにBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)を含める場合もあります。
具体的には、東京で大きな地震があった場合に大阪での事業継続が可能となるようなバックアップを地域間で行っておくBCP計画を実行するようなケースが考えられます。
セキュリティテストでは、外部からの不正なアクセスを受けていないか、またWebアプリケーションやファイアウォールによるサイバー攻撃への適切な対策が取れているか、といった事柄を確かめます。



リリース行程では、テスト工程で状態を確認したシステムについて、
- 本番移行
- 稼働状況の監視
- クライアントやユーザーへのサポート
といった作業を進めていきます。
システムを開発環境から本番環境に移す本番移行は非常に繊細でミスの許されないものですから、実施にあたってはリリース手順書という実際のリリース作業やそれに関連する様々な事柄を詳細に決めた手順書を作成し、リリース手順書に基づき2人体制でリリース作業を行います。
リリースしたシステムは実際の稼働状況を監視する必要があります。
安定的な稼働ができているか注意を払い、予期せぬサイバー攻撃があった場合などのトラブルはしっかり感知できるような監視設定をしておかなければなりません。
リリースしたシステムに何かトラブルが起こった際にはクライアントやユーザーへのサポートを行います。
リリース後のトラブル発生時にはシステムベンダー側に問い合わせが来ますが、その問い合わせを受ける仕組みをインフラエンジニアが設計するケースが多くあります。
問い合わせを受け取っている最中、万が一サーバーで不具合が生じてしまった場合にサーバーが自動的に回復するようなスクリプトをあらかじめ組んでおく必要があります。
発言のまとめ
・インフラエンジニアは、プロジェクトで作るシステムの内容を決める要件定義工程で、アクセス量、必要なデータの保存容量、実現するべきサービスの稼働率、などの非機能要件を決める。
・インフラエンジニアは、要件定義工程で決定した内容に沿ってインフラを設計していく設計工程で、サーバー、ネットワーク、ファイアウォールなどセキュリティ、などの設計を行う。
・インフラエンジニアは、設計工程で定めた内容を実装できているか検証するテスト工程で、スパイクテスト、障害テスト、セキュリティテスト、などのテストを行う。
・インフラエンジニアはリリース工程で、システムの開発環境から本番環境への移行、リリース後のシステムの稼働状況の監視、クライアントやユーザーへのサポート、などを実行する。
プロジェクトの実際の工程の中でインフラエンジニアが担う役割には、
- 要件定義工程で非機能要件を決める役割、
- 設計工程でサーバー・ネットワーク・セキュリティなどを設計する役割、
- テスト工程でスパイクテスト・障害テスト・セキュリティテストなどを実施する役割、
- リリース工程でシステムの本番移行・システムの監視・クライアントやユーザーへのサポートなどを遂行する役割
があります。
インフラエンジニアとして活躍するために必要不可欠なスキルセットは何か


















インフラエンジニアに必要なコアスキルとして、
- 問題解決能力
- コミュニケーション能力
- 継続的な学習に対するモチベーション
といったものが挙げられます。
インフラ関連のトラブルは時としてサービスの生死に直結したり損害責任の発生のおそれがあるため、一度起こった問題に対しては迅速な解決をし的確な再発防止策を考案できる問題解決能力が必要となります。
インフラエンジニアはクライアントの意図に合ったシステム用件をインフラに落とし込まなければならず、そのためにはチームやクライアントとの的確なコミュニケーションを図るコミュニケーション能力が不可欠です。
IT業界の急速な変化に対応するには、最新の事柄について学習を続けるモチベーションの維持も欠かせません。
10年ほどの間にAWSなどのクラウドはIT業界にとってなくてはならない存在となりましたが、オンプレで仕事をこなしていた人々はクラウドを新しく学習する必要があり、またAWSそのものも現在は300以上のサービスを提供しているためAWS初期に学習した人々もAWS自体の変化をキャッチアップしなければなりません。
発言のまとめ
・インフラエンジニアにはサーバー構築のできる技術力が必要である。
・インフラエンジニアにはネットワークの知識も必要となる。
・多くの企業が利用するクラウドの知識も欠かせない。
・トラブルを迅速に解決して再発防止策を考える問題解決能力はコアスキルとして必須である。
・クライアントの要望を汲み取りチームとの連携を可能にするコミュニケーション能力もコアスキルになる。
・変化の激しいIT業界の事情をキャッチアップするモチベーションの維持も重要となる。
インフラエンジニアに必要なスキルとして、
- サーバー構築を行える技術力、
- ネットワークに関する知識、
- 多くの企業の用いるクラウドについての知識、
が挙げられます。
またコアスキルとしては、
- トラブルが起こった際には速やかに解決し再発防止策を案出する問題解決能力、
- クライアントの要望を理解しチームと連携していくために必要なコミュニケーション能力、
- 変化の速いIT業界に適応するための細やかなキャッチアップ、
が挙げられます。
インフラエンジニアとしてのおすすめのキャリアパス



インフラエンジニアとしてのキャリアを積んでいく具体的な方法を、
- 初級者
- 中級者
- 上級者
とそれぞれの段階に分けて紹介していきます。



よくあるサービスだと監視システムに一人置いて、異常があればシステムの担当に知らせるってポジションがあるのでそういうところから始めればいいと思います。
基本的には手順書があるので、手順書通りに進めてアラートが鳴ったらまとめて伝えるとか、インフラビギナーにはそういうところがタメになってお勧めです。
監視業務から始めると単価で言えば40~50万円くらいになります。



ただお値段は結構します、僕が5~6年前にCCNAを受けた時は簡単な資格なのに4万8千円しました。それに資格は2年で更新しないといけない。普通のエンジニアの人とか新卒の人はちょっと受けづらいかもしれないですね。



単価感なら60~80万円までいきます。ここからさらに資格も加わればどんどん上位のレイヤーに上れます。
中級エンジニアは、顧客やプロジェクトチームの上位のリーダーとの話し合いを進めた上で、非機能要件や設計といった主体的な仕事に取り組みます。



このクラスになってくると正直ほぼPMOみたいなものですから単価も100万円超えてきます。
金融機関向けの巨大なシステムを例に考えると、上級エンジニアは数十台ものサーバーを自ら管理しなければなりません。
そのため必然的にサーバーを配置するインフラエンジニアやリソースプランの管理、さらに顧客へ提出する予算の見積もりも行います。
発言のまとめ
・インフラエンジニアとしての最初の仕事は、サーバーやネットワークの監視業務がお勧めで、手順書通りに仕事を進めてアラートの鳴ったところを報告するのが良い。
・中級エンジニアにはサーバー構築やクラウド運用といったシステムエンジニアとしての仕事があり、クライアントや上位のリーダーとのコミュニケーション、非機能要件定義、設計、などの主体的な仕事ができる。
・上級エンジニアはシステム全体の設計やメンバーの管理といったマネージャー的業務を行い、サーバーを配置するインフラエンジニアやリソースプランの管理などの仕事に従事する。
インフラエンジニアとしてのキャリアの積み方は、
- 初心者の頃はサーバーやネットワークの監視業務を行い、
- 中級エンジニアになったらサーバー構築やクラウド運用を行い、
- 上級エンジニアになるとマネージャーとしてシステム全体の設計やメンバーの管理を行う、
といったものになります。
まとめ



初心者の方はAWSのSAA資格取得から始めて自分のキャリア伸ばしてくといいんじゃないかなと思います。
本日の動画は以上です。
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